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2025年の飼料業界における2つのセミナーを通じた兼松ベトナムの足跡 ― IFFO 2025および乳牛・反芻動物向け粗飼料ソリューション ―

22-12-2025

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IFFO Conference 2025(20251020日~22日|東京・日本)

主なポイント

兼松株式会社(Kanematsu Corporation)は、IFFO Conference 2025の主催者として、本業界における重要な対話の場を東京にて開催いたしました。
兼松ベトナムを代表し、ゴー・ニャー・チュック(Ngo Nha Truc)氏(Feed & Grain Department Deputy Manager)も本会議に参加し、世界各国からのパートナーとの意見交換・交流を通じて、魚由来原料や農産品などの取引を、ベトナムから世界へ、また世界からベトナムへと促進することに貢献しました。

飼料原料セッションにおける大きな注目点の一つは、兼松株式会社穀物飼料部の近藤 光(Hikaru Kondo)氏による日本市場の動向に関するプレゼンテーションでした。

日本の魚粉需要は過去10年間安定的に推移しており、年間平均需要量は約35万トンとなっています。2024年においては、水産養殖向けが全体の72%を占め、次いで畜産向けが13%となりました。水産配合飼料の利用拡大を背景に、今後も需要は緩やかに増加する見込みです。輸入先はペルーが35%と最大で、日本の飼料メーカーが求める高密度・高品質が評価されています。一方で、インドおよびオマーンからの輸入も新たな成長が見られています。

魚油については、日本は国内生産量が高く、用途別では飼料向けが71%、人向け消費(オメガ3)が9%を占めています。輸入市場では、チリが75%と圧倒的なシェアを持ち、日本の認証基準を満たすサーモンオイルが主流です。さらに、国産イワシ油は生産量・市場価値の両面で増加傾向にあります。

日本における主な養殖魚種は、ブリ、マダイ、ニホンウナギ、コーホーサーモンです。このうち、ニホンウナギは魚粉の配合率が最も高く、ブリは魚油の最大消費魚種となっています。総じて、生餌から配合飼料への転換が進む中で、水産由来原料の需要は今後も拡大していくと見込まれます。

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乳牛・反芻動物向け革新的飼料ソリューションセミナー

乳牛・反芻動物産業における飼料ソリューションの高度化

2025年1119日、当社は「Forage Innovative Solutions for Dairy and Ruminant」と題した専門セミナーを開催しました。本セミナーには、海外パートナー、栄養学の専門家、日本の酪農家の代表者が参加し、飼料作物(牧草)市場の全体像、輸入乾草の拡大傾向、ならびにベトナム酪農分野における持続可能な発展の方向性について包括的な議論が行われました。

開会挨拶

セミナーは、兼松ベトナムの鈴木耕太郎General Directorによるベトナム語での開会挨拶から始まりました。
日本およびベトナムの飼料業界に長年携わってきた彼は、次のように述べました。

「本セミナーは、意見交換を行い、互いに学び合い、飼料作物および動物飼料の将来について議論するための素晴らしい機会です。

また、本イベントはパートナー間の関係強化と新たな協業の可能性を探る場としても重要な意義を持つと強調しました。

技術プレゼンテーション

1. Sage Hill Northwest(米国)
アルファルファの特長と季節別アップデート
Sage Hill Northwestのステファン氏およびデビン氏より、アルファルファの栄養価、製造プロセスならびにワシントン州およびアイダホ州といった主要生産地域における気象条件や収穫状況の最新情報が紹介されました。

2. Bodiam(オーストラリア)
オーツヘイ(Oaten Hay
兼松ベトナム 飼料チームのニュン(Nhung)氏が、オーストラリアを代表するオーツヘイ生産者であるBodiam社を代表し、オーツヘイの特性、利点、乳牛飼料としての有効性について解説しました。

3. 日本における酪農モデルおよび飼料流通システム
兼松ベトナム 飼料チーム Deputy Managerのチュック(Truc)氏は、日本の酪農経営モデルおよび飼料作物の商業流通システムについて紹介しました。本発表は、日本市場の仕組みを分かりやすく示し、ベトナムに適したモデル構築への示唆を参加者に提供しました。

栄養学に関する専門セッション

休憩後、フエ農林大学(HUAF)准教授 グエン・フー・ヴァン(Nguyen Huu Van)氏が、国産飼料作物と輸入乾草の比較分析を行いました。技術的観点から、ベトナムの酪農頭数増加に伴い、国産飼料は量・品質の両面で需要を満たすことが難しくなっていることが指摘されました。これに対し、アルファルファやオーツヘイを中心とする輸入乾草は、このギャップを補うための不可欠なソリューションとして強調されました。

農場代表による事例紹介

1. ホー・トアン酪農場(ベトナム)
ホー・トアン株式会社 社長 ルオン・ズイ・トアン(Luong Duy Toan)氏より、先進技術の導入、バランスの取れた飼料設計、輸入乾草の効果的な活用など、長年にわたり良好な成果を上げてきた経営事例が紹介されました。

2. 金子ファーム(日本)
金子ファームの阿見氏より、高品質な和牛および乳牛の生産で知られる日本有数の農場モデルが紹c介されました。日本では耕地面積が限られているため、国内需要を満たすために年間約200万トンの乾草を輸入している点が説明されました。

ディスカッションおよび閉会

セミナーの最後には質疑応答セッションが行われ、市場動向、飼料供給の最適化戦略、ならびに国際的なモデルをベトナム市場へ応用する可能性について、活発な意見交換が行われました。

(+84)28-39105536

月曜日から金曜日8:00~17:00

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